この一度滅びた身は、闇の王の魔力によって復活した。
だが先の戦で、ひどく傷ついた王は深い眠りにつき・・・
王の魔力が途絶えたことにより私も再び、死にも近い眠りについた。
「調子はいかがかしら。どこか具合の悪いところは無くって?」
「・・・問題ない。かつてと何も変わらぬ」
「そう、良かったわ」
「ラーナ、私を目覚めさせたのは王では無く、そなたらしいな」
「ええ、そうよ」
「ひとまずの礼は言おう。・・・だが、なぜだ?」
「どういうことかしら」
「なぜ、王よりも先に、私を目覚めさせた?
いかにそなたの力が強大とは言え、この身を蘇らせることはそう容易いことではあるまい」
「エルウィンがそう、望んだからよ」
「・・・・・・!」
「2度もあなたを失って、彼の悲しみ、そして苦しみは見ていられなかったわ」
「王の復活を遅らせてまでも?」
「納得がいかない顔ね。
私にだって、愛する人を失うことがどれほどのことか分かるわよ・・・」
「・・・それが本心であれば良いが」
「ひどい人ね。
・・まあいいわ。何を疑心暗鬼になっているのか知らないけれど、しっかり騎士としての勤めを果たして頂戴ね。
王不在の今、この私が傷つけば、今度はあなたを蘇らせるすべは無くってよ?」
「・・・わかっている」
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