- パタン -








今のは・・・・?!
おやすみのキスなんかじゃない、あれは・・・





少し酔ってたから?
薬のせいで?

誰かと間違った?







違う





私を呼んだ



気づいてしまった。
ヘクターは・・・・










ずっと、嫌われてるんだと思っていた。

私を避けるようになり、挙句出て行ってしまい、まるで帰ってこない。





ずっと悲しかった。

腹違いとは言え、本当の兄弟なのに、と。










けれど・・・









今は知らないふりをしよう。
ヘクターはずっと隠していたのだから。


薬が効いて、またすぐ眠ってしまったもの。
さっきのことは夢だと思うか、きっと覚えていないはず。








そして、決めなければ。

私は、私達はどう在ればいいのか。






自分の心すら、定まらないままだけど・・・・。







+ + + + + + + + +





・・・ああ、帰ってたんだっけ。



朝?
いつの間に眠ったんだ?





「おはよう、ヘクター」






「・・・いやだねぇ、着替えもせずに寝てしまったの?」












「着替え? ・・・本当だ」

「もう・・・。あまり飲みすぎたりしないでおくれね」





ああ、そう言えば飲んでいた。

・・・信じられない、そんなに深酒したのか?











「どうしたの?気分でも悪い?」

「・・・いいや」


「良い天気だから、朝食は庭でとろうね。
用意させるから、お前もすぐ準備して」

「ああ、分かった」










- パタン -








「いつもどおり、だったろうか。
私は・・・」














モドル