「・・・・ああ、そうか。君は王位をレインフォルス王子に譲るんだよね。
私も君みたいにしようかな。ヘクターがすべて継げばいい。
あれの子なら、私も愛せるよ・・・」
「それが悩みで眠れんというのかね。それとも相談をしに来たのか?
後者なら別の機会にしてくれ。私はもう、出かけるのでね」
「・・・薬、もらえる?」
「・・・・」
「ありがとう」
「・・・!
ここで飲むな!しかも酒で・・」
「平気さ」
「即効性だから帰って・・・」
「君の屋敷の方が落ち着くんだ。お構いなく。起きたら勝手に帰るから」
「・・・・ソファで寝る気か」
「十分だよ」
「・・・あ、出かけるんだっけ?いってらっしゃい」
「・・・・・・」
「エミール」
「・・・・・・・」
「・・・私だ。
すまんが、私の部屋で眠りこけている男を、客室にうつしてくれ。
・・・ああ、放っておいていい。勝手に帰るそうだ。
・・・そう。では」
「・・・・ヘクターの苦労が目に浮かぶ。
しかし、世継ぎの話・・・。こちらは人事では済まされんな・・・」