そんな日々から10年も経ったろうか。
惑星シーンは「強国」とされ、無闇に手出しをしようという輩は消えていった。
ジャックは(すでに民の間では「英雄」として絶大な人気を誇っていたが)
その功績を讃えられ、「首領」の座に就くことを民から切望されていた。
「ベルフェ。・・・お前、他星(よそ)に行くって本当かよ?」
「随分と耳が早いな」
「・・やっと落ち着いたばかりじゃねぇか」
「だからさ。ふふ・・・星の民が俺のことを何と噂しているか、知っているだろう?
そのとおりだ。俺は平和を望んで戦うんじゃない。血を好んで戦うのさ」
「俺だって別に・・星のためにやったんじゃねぇ。
星のヤツらは俺を、買いかぶり過ぎてんだ」
「ジャック。お前と俺は全く違う。
俺はお前の、共に在るべき存在じゃない。
お前が失ったものの代わりは、きっとこの星で見つかるだろう」
俺の言葉は正しかった。
自身の意思はどうあれ、間も無くジャックは民の望みどおり首領となった。
強さと英知、カリスマを兼ね揃えた「星の指導者」を民は愛し、
ジャックもいつしか、その思いに報いるようになった。
やがて「惑星シーンの首領」は、民を星をこよなく愛する良き統治者として
他星にもその名を馳せるようになった。
「・・・懐かしい話だ」
「・・・さて・・・。英雄の選びし者を、一目拝見するとしようか」
to be continued into "page 1"story・・・