「リアナ、私はエルウィンと話があるの。先に戻っていて頂戴」
「え〜・・。ねえさまと一緒に帰りたいな」
「言うこと聞いて」

「はぁい。・・・じゃあね、エルウィン。
今度はゆっくり、お話しましょうね」

「ラーナ、君はもう、そんなことまで出来るのか・・・」

「闇の秘術・・・『死者復活』」

「魔族の仲間入りをするには、人間としての命を一度、捨てる必要があるわ。
ちょうど・・・良かったのよ」

「術のせいで記憶はほとんど失われる。
でも、リアナは幸せそうだった。いや、昔よりもずっと・・・」
「そう。操られたまま人間として生きるよりも、よほど幸せだわ。
それにあの子の、私や貴方に対する感情は、少なからず残っているのよ」
「でも、俺は・・・・」

「大丈夫よ、エルウィン。あの方がすべて、叶えて下さるわ。
そうすれば貴方も、以前のようにあの人と・・・・」
「・・・・・」

「・・・じゃあ、私、行くわね。何かあれば、呼んで頂戴。
私でよければ、いつでも力を貸すわよ・・。」

「俺は何一つ忘れたくない。共に在った時間の全てを失いたくない。
そして・・・失ってほしくなかった」

「・・・行こう。どこかにきっと、手がかりはあるはずだ」
モドル